おひとりさまピンチ!

A-7NHKクローズアップ現代で、昨夜放送されたタイトルです。いみじくも、私の行政書士としてのスタンスでもあり、キャッチコピーとして使っている”おひとりさま”ですので、チェックしない訳にはいきません。

私の場合、現時点では起業家や経営者など企業としての”お一人様”に、出来る限りの法務サポートをしていきたいと考えてスタートしました。しかし、ライフワークとして、個人の”お一人様”に対し、いつか支えになれる専門家になれれば、と願ってもいます。まだまだ長い道のりかも知れませんが。

さて、興味があるのに見逃した方、ぜひオンデマンドで視聴されることをお勧めしますが、簡単に内容をかいつまんでみます。

<事件>日本ライフ協会(公益財団法人)が破産し、契約者は100万円以上の高額な見守り料を払ったのに保障されなくなった被害者が続出。 将来の入院や施設入所、賃貸契約更新もできず、困っている高齢者の方が多く存在

<問題>身元保証サービスは、違法性があっても、監視監督する行政庁がなく、放置に近い

<個人の現状>おひとりさまが身元保証人を求められるケースの割合は以下
      ・介護施設等 91,3%
      ・病院 95,9%
      ・賃貸契約時

<施設、賃貸の現状>身元保証人がいないと、支払いや撤去費用が払われないケースが出てリスクが高い

<病院のジレンマ>省令「医師法」で、提供サービスを拒んではいけない、という条項に基づき、行政側は指導している。 しかし、実態は、ほぼ身元保証人が求められる

<成功事例>都内の区の社会福祉協議会が、おひとりさまの身元保証を引き受けるサービスを代行。 しかし、契約まで平均4か月かかり、公的支援がなければ、財源や体制ともに拡大するのが難しい。 民間のNPO法人が身元保証をするケースもあり

<解決案>公的支援を拡大すべき。 個人としては、友人、遠縁の親戚との人間関係をより密にして、イザという時に身元保証を頼めるように関係を構築する

以上です。
なかなか、身につまされる問題ですね。私自身も、過去に親の身元保証のため、東京と福岡を行ったり来たりしていました。一人暮らしの場合、任意後見の前に、まずは身元保証の問題がより切実な課題だと気づかされました。今後の個人に向け法務アドバイスをする際に、この件も検討していこうと思います。

2 Responses to “おひとりさまピンチ!”

  1. 神宮司公三 より:

     番組を見ていました。私から見るともう少し突っ込んで取材をしてほしかったなと思いました。

     (1)なぜ,病院は,保証人を要求するのか。(2)介護施設は保証人を要求しているのか。(3)どうして,住宅の貸主は保証人を要求するのか。

     (1)については番組では医療同意のことを取り上げていました。家族以外の保証人は実務において医療同意はできません。少し違うかなと思いました。

     (2)については,社会福祉協議会の取り組みを紹介するだけで,なぜ保証人が必要なのかという点には触れられていませんでした。

     (3)については,連帯保証人がいないと後片付け費用が家賃の1年分相当額かかってしまうという話をしていました。なるほどなと思わせるところがあります。もしこれがネックになっているとすれば,1年分相当の家賃を預けておくなどの方策も考えられます。

     クローズアップ現代の後継番組のようですが,もう少し切り込んで欲しいなと番組を見ながら感じました。

    • sayuri nakayama より:

      先生、大変ためになるご指摘、有難うございます。確かに、ちょっと物足りない側面ありましたね。

      病院も施設も、医療行為や金銭が絡む場合、様々な同意書に署名捺印させる時に、必ず保証人に要求しますが、どこまで第三者機関の保証人や後見人が可能なのかと思いながら見ていました。

      来週はペットの特集みたいなので、これもチェックですね。

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