経営者なら絶対に身につけたい思考法
ビジネス上、これまで様々な出会いがあり、パートナーとして仕事をする機会を得ました。ITに転身してからも、ベンチャーの旗手と言われた著名な経営者から、主に通信やメーカーなど上場企業の役員やプロジェクトリーダー、個人の実績ひとつで数十億を動かすベンチャーキャピタリスト、天才プログラマーや才能あるデザイナーなど枚挙にいとまがありません。時には経営者VS株主として対立したり、ビジネス上の駆け引きで苦労することもありましたが、今ではすべての出会いに感謝しています。
こうした出会いの中で、「この人の頭脳がもし私にあれば、一体どんなことを実現できるのだろうか」と特に印象に残っている人が3人います。圧倒的な”知力”に打ちのめされたと言っても過言ではありません。端的に言うと、10を説明したら、その背景にある100のことを含めて瞬時に理解できる頭脳の持ち主だと実感したのです。(本人の許可を得ていないので、イニシャルにします。)
まず1人目は、米ベンチャー企業で技術部門のトップだった、アメリカ人の天才プログラマーT氏です。Googleがまだ日本上陸していない時期で、当時の日本では最速の検索エンジンを開発した方でした。私は複数のプロジェクトを共にする機会があり、その頭脳の秀逸さというか、発想の豊かさに感銘を受けました。今でも鮮明に覚えているのは、当時セキュリティ対策は自社でせざるを得なかったのですが、ハッカー対策としてjavaベースのオリジナルのプログラム言語を開発して、部下の一部のプログラマーのみに伝授していたことです。こんなことをサラッとできるプログラマーを私は他に見たことがありません。
2人目は、世界のbig4と言われる公認会計士事務所のパートナーN氏です。日本だけでも数千人いる会計事務所の中で、株式会社で言えば役員のポジションにいるのですから、当然のことながらずば抜けた頭脳と能力の持ち主であることは想像できましたが、ほんの数回の打ち合わせで衝撃を受けました。 N氏は当時ベンチャー企業を支援する部門の責任者をされており、私はN氏が顧問として担当していた上場企業の子会社のトップという立場で、経営支援を受けていました。まだ事業計画書の段階でしたが、会計とは全く無縁のWEB分野のビジネスに関して戦略的なコンサルティングをしてくれて、アクセンチュアやボスコンとは全く違うアプローチですが、アーリーステージでは実践的で活きたコンサルティングだと感じました。
3人目は、MHM法律事務所の弁護士U氏です。私が上場会社で経営企画室長をしていたときに、顧問弁護士として相談にのってもらっていました。やはり法律とは全く無縁のIT事業に関して、多分初見であろうビジネスモデルやストラテジーを瞬時に理解し、危機管理から知財の戦略的活用、M&Aに至る課題に対し、様々なソリューションを提供してくれるのです。法律家としてだけでなく、ビジネスのプロフェッショナルとしても、十分に尊敬できる方でした。
この3人の共通点は、出会いからずいぶん後になって理解できたのですが、構造化する思考力に長けていたのだと思います。デザインやプログラミングをしたことのある人ならば、”構造化”あるいは”レイヤー”で概念的に想像できるかもしれません。構造化とは、実はコンサルティングの世界では必須の思考法で、私はコンサルファームの方法論で学びました。”構造化”は、複数の物事の関係性を明らかにするということですが、ビジネスの現場では様々な事象が複雑に絡まって、何と何がどういう関係にあるのか把握することが大変難しいケースがあります。ではなぜ”構造化”する必要があるのでしょうか。それはわかりやすく説明すると、効果的な解決策に短時間でたどり着ける可能性が高い方法だからなんです。
経営者だけでなく、物事を整理して人に伝えるというスキルは、どんなビジネスにおいても必要になることなので、構造化する思考力、少しづつでも身につけていけば、必ず役に立つと思います。また、このような思考力を身につけたい、あるいは問題解決の手伝いが欲しいなど、興味があるという起業家の方は、ぜひお気軽にお問合せ下さい。
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