きばれ『日本のAI』チェスト~!

産総研の人工知能研究センターの副センター長、麻生氏の講演を拝聴する機会がありました。私はAIの冬の時代と言われる時からAI開発に取り組んでいたので、「AI」という言葉だけで、異なる分野の技術やサービスが混同されたり同じ土俵で語られたり、技術的特異点の定義によってミスリードされているような現状にとても戸惑いを覚えています。しかし、産総研のセンター長の発言や記事は共感できることが多く、今の混沌としている現状をすっきりと整理して教えてくれるので、すごく楽しみにしていた講演でした。

さて、麻生氏は初めてでしたが、とても親しみやすく物腰の柔らかい人物という印象です。何よりも研究所の講演とは思えないくらい、分かり易く丁寧に教えてくださいました。以下、大まかな概略だけですが、現状を把握するのに論理的かつ日本のAIの将来に期待が持てる内容でしたので、簡潔にシェアします。

・AIと人間とでは、知能の質が違う
・今のAIブームは、社会実装される時代が来たということ
・AIのドライビングフォースは、機械学習、大規模データ、計算機パワーの3つ
・AIは知識の利用であり、認知・判断、予測・計画、行動・制御の3つに分類される
・つまりAIとは、見えているものから見えないものを推測すること
・AIの知識は、明示的知識と黙示的知識がある
・AIのシステムには、スローシステムとファストシステムがある
・AIはITの延長線上にある技術で、機能面に乖離がある訳ではない
・AIはデータから結論を推理する帰納的アプローチで、そこがITの演繹的アプローチと違う
・深層学習によるブレイクスルーは、ビックデータと機械学習によるもの
・畳み込みニューラルネットは、2015年で152層、3.6%までの正誤率を達成した
・新しい生成モデルとして、LSTM,GAN,DQNなどを紹介
・これからのAIは、データ・AI・サービスが三位一体となって成長スパイラルを起す
・「society5.0」にあるように情報社会からCPS/IoT社会へ
・これからは業種横断的な動きがでていくるだろう
・AIにおける課題は、倫理的・社会的なものがある
・AIによって、プライバシーの侵害、監視社会、自律型システムの倫理などが懸念される

そして、日本のAI技術の将来的な可能性について、大変心強いコメントがありました。
・日本には良質のデータが沢山存在している
・AIに関する研究者も沢山いる
・これまでのインターネット中心のAIから、AI×IoT時代になれば日本の勝機があるだろう
・但し、個々の企業の中にデータが閉じていてはならない
・横断的にデータが使える仕組みを構築し、様々な事例を作ってほしい

いかがでしょうか。スパコンなど量子コンピューターの性能も大変気になる話題ですが、AI技術と各種センサー技術の組み合わせで、日本の企業が特定の分野でトップに躍り出る可能性は十分にあると思います。また、エッジAIの進化も益々楽しみになってきました。
先月経産省から、「AI・データ契約ガイドライン」が発表されました。かなりボリュームのある内容で、かつAIの開発アプローチを知らないと理解が難しいというか、難易度の高い内容となっていました。この資料も踏まえ、現実的なAIの活用と契約について、もう少し勉強してまとめてお話できるように準備したいなと考えています。

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