契約時のテクニック!難解な法令用語をマスターしよう part 1

bookshelf101最近ブログのテーマをシリーズ化する癖がついてしまいました。経営やマーケティング、法律いづれの話題でも、一度で簡潔に伝えていくようなテーマが少ないことに気付いたからです。 という訳で、今日は法律編です。

私にとって、現代の日本語なのにすんなり理解できない文章と言えば、学術文書と法律文書があげられます。学術文書については、単に自分の専門知識が足りないせいですので、今日のところは割愛します。さて、法律文書が難解に感じるのはなぜか? それは、特殊な専門用語があるせいでもありますが、読み手によって違う解釈が生まれないように法令用語の使い方に規則性があり、その知識が無いと誤った解釈をしてしまう側面があるからだと思います。

まどろっこしい言い方に思えたかも知れません。では、実例を説明しましょう。 今日のテーマは、「その他の」VS 「その他」です。〝はぁ~?″という声が聞こえてきそうですね。

このたった1文字「の」があるか無いかで、文章の意味が違ってきます。 初見の方であれば、驚かれたかもしれません。私は行政書士なので、行政書士法に沿って、この意味の違いを具体例として提示してみます。

■「その他の」
・使い方
Aその他のB  →   Bの例示列挙としてA

・サンプル( 行政書士法 第1条の3第1項第1号)
聴聞又は弁明の機会の付与の手続き その他の意見陳述のための手続き → 意見陳述のための手続きの例として、聴聞又は弁明の機会の付与の手続きを列挙

■「その他」
・使い方
Aその他B → AとBは並列

・サンプル(行政書士法 第1条の2第1項)
官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類 → 官公署に提出する書類と、権利義務又は事実証明に関する書類は、並列の関係

  ↓

*間違ったサンプル
官公署に提出する書類その他の権利義務又は事実証明に関する書類 → 権利義務又は事実証明に関する書類の例示列挙として官公署に提出する書類があるという意味になるので、本来3種類の書類のはずが、2種類と解釈されてしまう。

いかがでしょうか? 法令用語の難しさが少しは伝わったのではないでしょうか? 通常の日本語としては、殆ど意識しない法則ですよね。たった一文字「の」があるかないかで、文章の意味が違うというびっくりする事例でした。

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