経営者として失敗しないために”共感力”を高めよう!
私の名前は”小百合”と言いますが、最近初めて会う方からのメールなどに、”中山百合子様”と間違えられるケースが多くなりました。きっと小池百合子新都知事の影響だろうとスルーしています。
小池百合子氏について以前から感じていましたが、政治家であると同時に大変優れたマーケターでもあると私は思います。小池式コンセプトノートには、”プロジェクトは大義と共感で決まる”とありますが、これはまさに経営者にとってそのまま当てはまるコンセプトではないでしょうか。会社として考えた場合は、経営者の理念に対して従業員や顧客、株主等の”共感”を得るということであり、事業プロジェクトで考えた場合は、事業目的と達成について、プロジェクトメンバーや対象となる顧客等に”共感”を持ってもらう、ということです。
また、視覚に訴えるカラー戦略もとても効果的に実行されています。選挙中は徹底的に緑をテーマにして都民の共感を得ることに成功し、初都庁の時は白のスーツにブルーのインナーと、クリーンさと信頼感を与える印象を作り出しているところなど、見事としか言いようがありません。見習いたいものですね。
偶然ですが、昨日クラウドファンディングの福岡の主宰者の方とお会いしたのですが、最近何かと話題のこのクラウドファンドのプロジェクトの成功の秘訣は、まさに”共感”を持ってもらうことだと聞きました。
さて、”共感力”とは、何も政治や経営に関係することだけではありません。人間関係の場として、家族、夫婦、恋人、友人、職場、学校など、あらゆる場面でトラブルはつきものですね。そんな悩みを解決してくれる方法のひとつが”共感力”です。”共感力”をわかりやすい言葉に置き換えるならば、「相手の立場に立って、相手の立場がわかる、相手のことを思いやる、自分の周囲の人々の思いをくみ取れる能力」と言えるのではないでしょうか。特に経営者であれば、従業員や株主、顧客のニーズをくみ取る力は、必須と言わざるを得ません。”共感する力”と同時に”共感される力”を養うことで、社内外の人間関係が良好になっていくと思います。もし、この”共感する”ことを怠った場合、最悪のケースは従業員や株主の離反だったり、顧客のニーズと合致しない商品を出して失敗したり、これを読んでいるあなたにも心当たりあるのではないでしょうか。そういう私自身も、過去に大きな失敗体験があります。 また、”共感力”を意識して高めることで、視野が広くなり、色んな人の意見に耳を傾けることにより、豊かなプロジェクトになった成功体験もあります。
では、この”共感力”はどうやって高めれば良いのでしょうか? 特別なことはありません。人の話に耳を傾け、相手の立場にたって受け止め、自分の事として考える、それだけで十分です。しかも、この方法は、まさに経営課題を解決するマーケティングアプローチそのものなのです。
余談ですが、私の好きなSF小説の一つに、フィリップKディックの「Do Androids Dream of Electric Sheep?」という本があります。1977年の作品で、映画「ブレードランナー」の原作で日本のエンターテインメント業界にも多大な影響を与えています。この中で、フィリップKディックは、人間と区別できないほどに進化したアンドロイドと人間を区別する唯一の手段が”共感力”の有無だと定義しているのです!
アンドロイドは電気羊の夢をみるか?
昨日マサチューセッツ工科大学のラボによる新たなテクノロジーの記事をみました。
MITがさわれるビデオを作った
簡潔に説明すると、視聴者はビデオに映った物に「触れ」て、まるで現実世界で物に触れているかのように直接動かしたり影響を与えたりできるようになるという仕組みです。 ビデオを見たら直感的に理解できると思いますが、これからのVRに多大な影響を与えそうな技術です。このような双方向型メディアが目指しているものとは、まさに利用者の”共感力”を得ることなのではないかとふと思い至りました。
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