あなたの会社は間に合う?ストレスチェック!
いよいよ今年の12月までに、従業員が50名以上の事務所には、年一回のストレスチェック実施が義務付けられることになります。最終的な届け出は、12月になっても構わないそうですが、テスト自体は11月までに実施しておかなければなりません。厚生労働省が、各種マニュアルや実施規程を提供しているのですが、法的な制度の条件よりも重い基準で規程が作成されてますので、これをそのまま取り入れると、企業にとっては大変な負担になるかも知れません。最初の導入の年ですから、法律の範囲内で出来る限り軽く実施するのが賢い選択だと思います。
さて、内容について簡潔にお伝えすることはできませんが、導入にあたって、特に重要と思われるポイントを上げておきます。
■社内への周知は丁寧に行う
社員が、うつ病患者のあぶり出しなどと捉えてしまうと、拒否するケースが出てくるかも知れません。あくまで、社員のメンタルヘルス不調を未然に予防するためのものであるという目的をきちんと伝え、人事権を持つ管理者の介入はないことを理解してもらうことが大事です
■産業医との連携を大事にする
実際の実施者は、医師、保健師、看護師、精神保健福祉士などですが、最終的に労基署に提出する際は、産業医の署名が必要です。制度自体、産業医の意見を尊重する方向にあるので、企業としては信頼できる産業医との連携が理想的です
■ストレスチェック調査票は簡易版でも可能
厚労省は57項目を推奨していますが、23項目の簡易版もあります。出来る限り全社員の実施が好ましいので、自社の状況に合わせて判断しましょう
■ストレスチェックの結果を事業者へ提供する場合
省令では、従業員の同意の取得は、書面または電磁的記録で取ることとあります。そこで同意取得のタイミングですが、実施前や実施時に同意をとってはいけません。必ず実施後に、結果を個々人に通知した後に、個別同意を取りましょう。この時に、包括同意をしたり、オプトアウト方式(期日までに不同意の意思表示が無ければ、同意したものとみなす)という方法は不可ですから、注意してください
■安全配慮義務をきちんと理解する
民法415条の債務不履行責任を根拠に、企業には労働者に対して安全を配慮する義務を負っています。そしてこの義務については、企業側が主張し立証する責任を負います。その観点から、万が一の労使紛争に至る場合に備えて、慎重な対応を求められます。 特に以下の点については、十分すぎるほど気を付けましょう
・ストレスチェックの受検について
社内の周知を徹底しても、受検しない社員が出てくる可能性があります。そういうケースでは、メール等の記録に残る方法により、一度だけでなく数回社員へ受検を勧めることにより、「労働者側が受検しなかった」事実を記録することが大事です
時期的には、すでに取り組んでいる企業が多いと思いますが、こういった新たな制度を導入する時は、様々な摩擦が生じがちです。しかし、ストレスチェックを実施することにより、社員が更なるストレスを感じてしまっては、まさに本末転倒です。 外部の協力者を得て、少しでも負担を少なく、スムーズに運ばれる方法を選択することもありでしょう。
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