先人に学ぶ!~「貞観政要」と「近江商人」
アサヒグループホールディングスの元CEOの荻田伍氏の講演の内容について、プログでシェアしてきましたが、いよいよ最後のテーマは「貞観政要」と「近江商人」に学ぶことです。
「貞観政要」(じょうがんせいよう)とは、唐の太宗の政治に関する言行を記録した書で、古来から帝王学の教科書とされてきたものです。この「貞観政要」は早くから日本にも伝わり、古くは北条政子、足利氏、徳川家康、など歴史に名を遺す方々が学んだものとして、伝えられているそうです。私は、まだ読んだことがありません。
まずは、荻田氏は3つの項目を上げられました。
①貞観政要に学ぶリーダーの資質
②コーポレートガバナンスコードと貞観政要
③「草創と守成と、いずれか難き」
これらの項目は、「貞観政要」の中身を把握していなければ、理解するのが難しいですね。 続いて「貞観政要」の中から重要と思われるものをピックアップしていました。
■安きに居りて、危うきを思う
これは、事業上最高と思える時にこそ、次の手を打てという意。
■身理まりて、国乱るる者を聞かず
トップこそ、清廉潔白に。手本を示してこそ、組織をまとめることができる。
■部下の諫言に耳を傾ける
人は誰でも過ちを犯すもの。トップ自らの暴走を止めるためには、部下の意見に耳を傾けること。
■自己コントロールに徹する
トップであっても、わがまま勝手はゆるされない。
■態度は謙虚、発言は慎重に
トップに立つものは謙虚であれ。部下は一挙手一投足を見ている。
これに加えて、経営者が考えなくてはいけないことは、”会社をつぶさないこと”。
経営者の役割とは、”決めること””やること”の2つだとおっしゃっていました。
最後に、近江商人の思想・行動哲学である「三方よし」の格言について触れています。
「三方よし」とは、”売り手よし、買い手よし、世間よし”の3つを指します。WIKIによると、売り手の都合だけで商いをするのではなく、買い手が心の底から満足し、さらに商いを通じて地域社会の発展や福利の増進に貢献しなければならないとされています。
この「三方よし」こそ、コーポレートガバナンスの原点ともいえるもの。富の根源は道義であり、正しい道理の富でないと企業は続かないとおっしゃっています。このことを企業全体で共有し、社会に還元してこそ、本当の企業価値となるそうです。
日本における100年企業は、3万社以上にのぼるそうです。そして、顧客の喜びを自分の喜びとすることが大切だと強調されていました。 これらの考え方をより深く学ぶために、2名の偉人の名を挙げておられました。心学の祖、「石田梅岩」と資本主義の父、「渋沢栄一」。
以上、本当に素晴らしい講演でした。
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