AI テクノロジーについて ~イノベーションの成功の秘訣Part 7

今やニュースサイトを見ると、AI(人工知能)やIoT,ビックデータ、AR(拡張現実)など、様々なテクノロジーに関するキーワードが溢れています。長年ITビジネスに身を置いて来た私から見ても、新たな実証実験や取り組みにワクワクするので、全くITビジネスにかかわりのなかった方からすると、まるでSFの世界で描かれてきたことが、一気に現実味を帯びて見えるのかもしれません。 
しかし、実際はキーワードが独り歩きして、現実のビジネスで実現していることと将来的な可能性があるもの、或いは実現可能なものとそうでないものとの整理がされないまま、両者の乖離を埋めないままで期待だけが膨らみすぎている感が否めません。こういった危惧を覚えるのも、AIの冬の時代にビジネスに取り組み、厳しい洗礼を受けてきたせいかもしれません。 

さて、AIの新たなブームを引き起こした技術は、以前のブログでも触れました”ディープラーニング”という技術です。実はこの登場は私にとって、予想だにしなかった衝撃を受けました。コアに使われているニューラルネットワークという人間の脳を模した技術は、ずいぶん前から存在していて、そのアプローチも沢山ありました。私が技術者たちとチャレンジしていた技術の一つも、リカレントニューラルネットワークと言われる方法でして、これまでは人間がルールを決めて学習させていくというところに限界があったのですが、特徴量を計算することを機械自身にさせることで、飛躍的な技術革新が起こったのです。

これからのビジネスに、このディープラーニング技術をどう導入していくか、本当に期待でわくわくします。一方で、コア技術はほぼアメリカの巨大企業に握られている現在のビジネスの構図に、少し残念な気がします。これまでのPCやスマホにおけるOSの覇権争いに日本が食い込めなかったのと同様な構造が透けて見えるからです。しかし、おそらく日本でAIビジネスが昇華する場面は、業界に特化した独自技術であり、特定の分野において独自のビジネスモデルを成功させた企業が勝ち抜いていくのではないか、そんな気がします。

そして、世界を牽引する最先端の技術が、APIという形で、特別な技術力がなくても外部で利用できるように公開されてきました。これも本当に画期的なことで、AIの開発会社でなくても、システム開発会社でサービスを構築できるようになったのです。つまり、一部の最先端の企業や大手企業のみでなく、我々の身近にある一般的な企業においても、AIの導入が可能となる時代になったことを意味します。

本日のテーマの、AIテクノロジーについてすべてを語ることは難しいのですが、実は”ディープラーニング”技術さえ使えればサービス提供できると勘違いされている方のために、触りだけコメントします。 AIを活用したサービスを実現するためには、いくつか必要となる技術を組み合わせることになります。その目的やビジネスモデルによって様々な組み合わせになるのですが、以下代表的なものを挙げてみます。

■自然言語処理・・・対話型のサービスの場合、自然な言語をコンピュータに処理させるための技術

■画像認識技術・・・画像を解析する技術で、人間の能力を超えたといわれる分野。 NECの顔認識技術は世界最高精度と言われています

■音声認識技術・・・人間の声をコンピューターに認識させる技術で、文字列へ変換したり、声の持主を認識したりする技術

これらはほんの一例に過ぎませんが、これらの技術がさらにAI技術の発展に寄与していくと考えられます。また最近では、IBMやMicrosoft社は、自社のシステムを「コグニティブ・コンピューティング」と定義しています。 「Cognitive」とは”認知”のことであり、コンピューターが自ら考え学習し、瞬時に膨大で様々な情報源から、大量のデータを統合し分析できるシステムのことを指しています。 代表格は、言わずと知れた”Watoson”(ワトソン)です。かなり高額だそうですが、おそらく現時点では最も商業化に適したシステムでしょう。

次回からは、具体的に特定の業種やサービスごとにAIがどのような導入がされつつあるのか、コメントしたいと思います。

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