AIリテラシーを向上しよう~AIの見分け方

移動時間を活かしてAI関連の知識を補填しようと数冊書籍を購入したのですが、たまには白書で具体的な数字を把握するのもいいかと注文したら、なんと軽くPCサイズ超えで分厚い(-_-;) 目次だけで挫折しそうな予感がしてしょうがありません・・・しかしグラフや図式はさすがに分かり易くできてますので、少しづつ見ていくことにします。

さて、最近色んな方とAIについてお話する際に、AIと標榜しているサービスが、AIなのかITなのか、よくわからないという意見を耳にします。またなぜAIを使う必要があるのか、よくわからないという意見です。これは”AIですよ”と発信する側が、意図してITをAIと表現しているのか、将来はAIを実装しようと考えてのことなのか、AI自体をよく理解できていないのか、本格的なAIなのか、色んなパターンが想定されるようですが、受信者側はどのパターンなのかわからず混乱してしまうという図式です。そしてそもそも、AIの専門家であっても発信する方がどういう立場にいるかによってAIの定義が違うと思われるので、AIの境界線をさらに曖昧模糊としている気がします。

そこで、AIについてよくわからないという方に対して、整理して理解するヒントを今回コメントしてみます。 まず一番ややこしくしているのが、違う進化をしているテクノロジーを同じ土俵で語るケースです。おそらくこれが最も混乱しやすい原因でしょう。

■テクノロジー類型
①AI → ソフトウェア技術(アルゴリズム)
②ビッグデータ → ハードウェア処理技術、データ解析技術
③センサー/IoT → センシング技術、通信技術
④ロボット → ハードウェア制御技術

正確にはもっといろんな技術が含まれますが、あくまで理解しやすいように、代表的な技術だけあげています。これらのテクノロジーは、単独ではなく組み合わせで進化しているのですが、それぞれ全く違う技術なので、切り分けて把握する必要があるのです。例えば、ロボットを動かしているのは、ハードウエアの制御技術ですが、人間の顔を認識したりおしゃべりするのはAI技術を活用、といった組み合わせです。

そして、次にAIの見分け方ですが、3つの類型のどれかにあたるのか、把握することができれば、かなり理解しやすくなります。

■AIの類型
①IT技術の組み合わせ
②機械学習
③深層学習

①IT技術の組み合わせ
これは以前からあるIT技術を使って、擬人化したサービスを提供するものです。フィンテック(金融分野でのIT技術)、IoT(モノのインターネット)、RPA(ロボッティックプロセスオートメーション)などに活用されています。

②機械学習
統計学的なアプローチの機械学習や自然言語処理といった技術を中心とするもので、これが今現在は最も一般的にAIと呼ばれています。ビッグデータの分析、Web関連の分析、コールセンターのサポート、与信の支援などに活用されています。 情報通信大手のAI関連テクノロジーの殆どが機械学習を活用しています。国内では、IBMの「Watson」、日立製作所の「H」、NECの「the WISE」、富士通の「Zinrai」などが上げられます。

③深層学習
機械学習の一つで、最近注目されている「ディープラーニング」と呼ばれるAI技術です。AIが再度ブレイクしたきっかけですが、実際に活用されているのは画像認識技術が中心です。この技術を活用して画像処理と機械やロボットの融合を進めることにより、最大の魅力が期待できると期待されています。例えば、Googleの「AlphaGo」や医療画像の診断、自動運転などの分野で実用化が進められており、アメリカ、中国が現時点ではしのぎを削っています。

いかがでしょうか。この3つのAI類型のどれになるのか、それだけでも見極められたら、かなり理解しやすくなるのではと思います。次回は今最も注目されている『深層学習』について、もう少し詳細にコメントする予定です。

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ