明日からの経営に役立つ!会社法を学ぼう Part 18

3月私は、2000年頃から株式会社の経営企画に携わるようになって、様々な株式会社の機関設計にも取り組んできました。ここで言う機関とは、組織作りとは違って、コーポレートガバナンスの多様なニーズに応えるため、株式会社に設置しなくてはならない人やその集まりのことを指します。そして、それぞれ会社法で定められた役割や意思決定を行うことなどが決まっています。

実は、会社法により機関を学ぶまで、「執行役員」と「執行役」を混同していました。「執行役員」とは、会社が任意に設置できる機関なので、取締役のように登記する必要もありません。それに対して「執行役」とは、委員会設置会社において、取締役会の決議によって選任される機関のことです。こういう似ている機関名は、どちらか別の名称に変更してほしいものですね。

さて、本題です。まずは、株式会社における一番重要な意思決定機関である「株主総会」から見ていきましょう。「株主総会」は、株式会社であれば、「取締役」と共に必ず設置しなくてはならない機関です。 そして上場企業であれば、毎年決算後の3か月目あたりに「定時株主総会」が行われるケースが多いですね。ニュースやドラマなどになる場合は、たいてい紛糾しているケースが多いから、「株主総会」に出席したことが無い方はちょっと怖いイメージあるかも知れません。

実は昔は総会屋が株主総会を荒らす事件などが頻発していたことから、会社法がこれを防ぐために何度か改正されてきました。また、オーナー会社において、しゃんしゃん総会と呼ばれる形式のみで強引に終わらせる短い株主総会なども多かったようです。

しかし実際に運営側に関わってみると、この「株主総会」は会社のステージや状況によって、いろんなケースがあります。例えば公開会社の場合、入念なシナリオとリハーサルを重ねて丁寧に実施するケースが多いと思います。また未公開で株主数が少ない場合には、ほぼ形式のみの実施でスムーズに終わる場合や、極端なケースでは、議事録を作成しただけということもあり得ます。 

では、「株主総会」とは、どのような権限を持つのでしょう。原則では、株式会社に関する一切の事項を決議できる、いわば万能の機関と言えます。そして、取締役会を設置しているか否かによって、会社経営の合理化を図るため、会社法と定款に定められた事項のみに限定するかが変わります。

一般的な取締役会を設置している会社の「株主総会」について、どのような権限が法定されているかは下記となります。
①定款の変更や組織の再編など、会社の基礎・存立に関する事項
②取締役・監査役などの機関の選任や解任に関する事項
③株式の併合や剰余金配当など、株主の重要な利益に関わる事項
④取締役に委ねたのでは、株主の利益が害される恐れがある事項
分かり易くまとめると、会社にとって超重要事項にあたるものと、取締役会よりも株主総会で決議することが妥当であるものが、「株主総会」の決議事項となります。

ちなみに私は経営者として未熟だったため、長い間株主等に厳しく鍛えられてきましたが、それでも紛糾する株主総会の議事をやると想像しただけで、今でも心臓がキュッと締め付けられそうです(汗

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