今の深圳を知らなきゃマジやばいって!!~part.1

ここ1年くらいずっと、取引先の方から聞いたり、ITやスタートアップ関連の色んなイベントやセミナーで気になってきたキーワードです。印象的だったのは、昨年の11月頃のイベントで、ホリエモンが「上海、深圳に行くべき!」と強調してました。直接中国に住んでいるビジネスマンや、現地を視察してきた人の話を聞かないと、なかなかピンと来ないのかも知れません。しかし、おそらくAIやIoTをはじめとする先端技術産業の一部は、とっくに日本やアメリカを抜いて、世界一のレベルになっている分野が数多く存在していると思われます。例えば画像認識技術はつい最近まで日本の技術がトップだったのですが、中国政府による監視カメラの設置が1億7000万台を超えたあたりから、すでに技術力も精度も逆転してしまったようです。

皆さんは「BAT」という言葉をご存知でしょうか? 日本では米国の「GAFA」の方が有名でしょうが、中国のIT企業として、中国の人々の生活インフラとなった企業を指す言葉です。百度(バイドゥ)、阿里巴巴(アリババ)、騰訊(テンセント)3社の頭文字を取って「BAT」と言われています。3社はそれぞれ検索エンジン(バイドゥ)、EC(アリババ)、SNS(テンセント)と異なるサービスをメインとして、その急成長ぶりは著しく世界中から注目されています。

また、最近では日本でもまだ登場していないような新しいサービスが次々と生まれています。無人フィットネスジム、無人カラオケ、モバイルバッテリーレンタル、3Dボディースキャン、モール案内ロボなど。きっと今ブログを書いているこの瞬間にも、新しいサービスが生み出されていることでしょう。その完成度や精度が高くないという側面ばかり捉えてしまうと、今の中国の凄さを見逃してしまうかもしれません。

さらに言えば、おそらくドローンビジネスに少しでも関わっていれば、DJI社を知らない人はいないでしょう。ドローンでは世界シェア第1位ですが、特筆すべきは他のITビジネスの様にすでに欧米にある既存のビジネスのモノマネはなく、中国のオリジナル技術で世界シェアを取ったことです。

ちょうど先日オープンセミナーで聞いた中国に関するセッションが、これまで拝聴した中で最もよくまとまっており伝えやすい内容だったので、簡潔にシェアしてみようと思います。登壇者は、船井総研の上席コンサルタントの斉藤氏という方で、さすがにビジネスのコアを捉えるのが上手だと思いました。

まず今の中国でなぜこれほどのイノベーションが起こるのか、その理由として下記2つを上げていました。

タイムイズマネー、効率は命。
「深圳速度」と言います。そしてこれを企業ではなく自治体(政府)が推奨しているのがすごいです。もちろん日本においても、効率は大事だと考えますが、クオリティよりも優先させることが大きな違いではないでしょうか。

イノベーションを推奨し、失敗に寛容な社会。
新しいサービスが次々と完成品とは思えないレベルでも市場に登場します。同じことを日本ですれば、寄ってたかって叩かれるようなレベルのサービスを堂々とリリースしています。 このことはすなわち、中国と日本において同じ製品を同時期に開発したとして、日本では入念にマーケティングリサーチをしたり、限られた環境で検証を進めている間に、中国では市場に投入して、実際の消費者に提供しながらマーケティングしていくということになります。残念ながら、開発スピードで勝てるわけがないと思いました。

長くなりましたので、この続きは次回にします。
モバイク、テンセント、ファーウェイ、アリババ、BYDの5社について、日本企業との大きな違い、それぞれの成功の秘訣と思われるポイントをピックアップしていましたが、どれも驚きの連続でした。乞うご期待!

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