ブレストをやってみよう!~イノベーションの成功の秘訣Part 2

Startup Stock Photos経営コンサルタントとなってからは、会議と言えばクライアントとの打ち合わせの場が殆どで、通常会社で行われる会議に出席することはありません。 しかし最近は、仕事に関連してワークショップに参加する機会が続いています。ファシリテーターと呼ばれる司会進行役の誘導によって、参加者全員が様々な課題やテーマを体験できる手法で、学びや問題解決には最適な方法だと実感しています。このワークショップという方法はおそらく企画立案でも応用できるのでしょうが、私の体験からすると「ブレインストーミング」と呼ばれる手法の方が、企画会議としては遥かに適していると思います。特に従来の考え方ややり方を一度破壊して、全く新しい創造を目指す新規事業のプラン出しの際は、「ブレインストーミング」を取り入れてみると、思ってもみなかった企画が大きく膨らんだり、少なくとも参加者全員のモチベーションがアップすること間違いなしです。

では、通常の企画会議と「ブレインストーミング」では、何が違うのでしょうか? 「ブレインストーミング」は出来れば5人~10人程度の少人数の方が進めやすいのですが、集団でアイデアを出し合い、それによって更に発想を膨らませたり、関連する企画に連結させたり、集団で思考し発想していく会議です。 最初にこの「ブレインストーミング」の手法を体験したのは米ベンチャー企業でしたが、方法論を目にしたのは、1冊の本でした。もう14年も前に書かれた本ですが、今でもワクワクさせてくれる素晴らしい内容です。

発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法

以下は、この本の中で紹介されている「ブレインストーミング」の7つの秘訣です。

1.焦点を絞る
いろんなアイデアが数多く出るように、焦点を絞った具体的な質問がブレストには重要。

2.ルールを意識する
ブレストを効果的なものにするには、「量を追求する」「大胆なアイデアを歓迎する」「視覚的に表現する」「独断的にならない」「話題は一度に一つ」といったルールを守る必要がある。

3.アイデアを数える
アイデアを数多く出すには、その数を数えるのが手っ取り早い。ルールを壁に貼るのといっしょで、視覚化、可視化されていれば人は意識できるようになる。

4.飛躍をさせて蓄積を図る
アイデアは次から次へとポンポン出てくるときもああれば、突然、アイデアが枯渇して沈黙してしまうこともある。そういう場合は進行役の人が目先を変えてあげて、違う視点から問題を見れるようにしてあげるのが効果的。

5.忘れずに空間利用をする
これも可視化の効果をうまく取り入れたもの。出たアイデアはどんどんポストイットに貼っていく。そうすると、視覚的に脳が刺激されて、アイデアが浮かびやすいし、話が脱線した場合でも元に戻しやすい。

6.最初にストレッチをする
ブレストの前に連想ゲームなどをやって頭をほぐしておこうというもの。頭をウォームアップするのもあるし、場の雰囲気もストレッチ効果でほぐれる。

7.物理的に表現する
ブレストの際も、プロトタイプづくりで使う発泡スチロールやチューブ、ダクトテープなどを用意し、いつでも簡単なモデルやスケッチができるようにしている。

私が特に重要と思うのは、2,3,5,6の4つです。 そして、付け加えるならば、以下の点が重要だと思います。
①他の人の意見を否定しないこと
②その場で結論は出さないこと
③企画は100本を目指すこと
④大きなホワイトボードを用意すること

GoogleやAppleなど主にアメリカの企業に流れる文化というか自由なビジネス環境は、日本企業が真似しようとしても形だけで終わることが多いでしょう。私自身もシリコンバレーから来た技術者を中心とする外資系企業で働いたことがありますが、日本企業とのビジネス環境の違いに大いに驚いたことがあります。そしてこの「ブレインストーミング」も、アメリカ生まれということもありますが、日本企業がアメリカ企業を真似て実行してもなかなか成果が得られない壁にぶつかったことがあります。というのも、自由に発言していくことが一番大事なのですが、日本人はものおじしたり、はっきり意見を言わないスタッフが多いからです。 ですので、一番重要なのは、最初にいかに自由な発想ができる環境を作れるか、ということが日本においては最重要課題かも知れません。 

いつもの会議室でも、ルールに関する張り紙を貼ったり、椅子をとっぱらったり。あるいは思い切って屋上や食堂で実施したり、色んな工夫でチャレンジすると、楽しみながら独創的なプランが出てくるかも知れません。これこそ、イノベーションの源泉です!

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