要注意! 相続が開始したら、銀行で手続きが必要です。
銀行はどうやって、相続が発生したことを知るのでしょうか? 私にとっては意外でしたが、原則として殆どのケースは、相続人からの届出だそうです。 そうでないケースとしては、著名人だと新聞報道だったり、或いは主要取引先で銀行関係者が列席する場合などがあるそうです。
いづれにしても相続が開始されれば必要となる手続きですので、電話連絡だけで済まさずに、必ず銀行まで出かけて手続きを出来るだけ早めに着手されることをお勧めします。
さて、相続の手続きには下記の書類が必要です。
・被相続人の出生から死亡までの切れ目のない戸籍謄本(原本必要)
・相続人全員の印鑑証明書
・(海外在住の場合)サイン証明もしくは公証役場の公証人の証明
そして銀行側が用意する「相続関係届」等の書類に相続人全員が捺印すれば、1週間程度で手続きが完了します。 さて、問題となるのは、相続人の中に、認知症の方や未成年者がいるケースです。この場合は、相続人でない後見人や特別代理人が必要となります。この相続人でない方と言うのがポイントで、法律用語で言うと”利益相反”にあたる人は後見人になれません。つまり相続になると、利害関係にない方でないと後見人になれないことは、知識として覚えておいた方がいいかもしれません。
さて、ここからは銀行の方に聞いたお話でして、すべての銀行が一様に同じ対応かどうかは不明ですが、一般論としてコメントします。
相続となると、様々な問題が発生して、銀行側が各種調査に対応する事例が出てきます。つまり、本来法律家同様に秘密保持義務があるのですが、それが免除されるケースがあるのです。
どういったケースがあるのか、下記にあげますね。
・相続人からの依頼で、休眠口座を探します。基本的に名前と生年月日がわかれば、調査可能です。
・法令の規定に基づき、公権が発動された時。 例えば税務署の検査、検察などの捜査、裁判所命令に基づく捜査などです。
・預金者の相続開始に伴い、相続人(遺言執行人)から残高照会や残高証明書の発行依頼を受けた時。
実は銀行は、過去10年分の伝票を保管しており、どういう筆跡の方がどう払い出したか、調査可能だそうです。 残高照会は原則として被相続人がお亡くなりになった日になりますが、ケースによっては、生前にさかのぼったり、取引明細を出してくれることもあるようです。
さて、一方で、銀行が調査に対応してくれないケースもあります。
・原則として、被相続人の債権者や弁護士からの照会には対応しません。 ただし、相続人の委任状があればできそうです。
・係争事件となり、弁護士から照会があったケースです。これも相続人の代理人であれば対応できるそうです。
最近では、親が地方に在住し、子供は東京や大阪などの大都市に住んでいるケースが多いため、福岡本店の銀行でも東京や大阪の支店での手続きが増えているそうです。 特に、公正証書遺言などにより遺言執行人を定めておくケースが増えており、その遺言執行人から書類一式が送られてくる、という案件も多いみたいですね。
もちろん、行政書士も遺言執行人を引き受けるケースが増えているそうです。もし、遺言のことでお悩みがあれば、一度ご相談ください。
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