大変なことになっていた!大学生の貧困問題が深刻だという話
先日某大学教授主催の、主に九州をメインとした経済セミナーに出席しました。 テーマは以下の3つでした。
①最新の政治経済状況 EU離脱の影響
②東九州新幹線(小倉~大分間の整備新幹線プロジェクト)と福岡の発展に何が必要か
③若者の貧困問題
①②に興味があって参加したのですが、実は③のお話がとても衝撃的でかつ経営者にとっても重要な課題だと実感しました。ちょうど選挙権年齢引き下げのタイミングでもあるので、この問題について簡単にコメントします。
福岡市は、福岡県の人口510万人に対し、154万人と約3割の人口が集中している九州一の都市でして、毎月1000人単位で人口が増え続けています。海や山など自然が近くて住みやすく、食べ物がおいしく、子供を育てる環境としても魅力的な都市です。しかし、出生率は九州最下位で1.24%です。その主な理由は、30歳~34歳の男女の独身率が高いことにあり、女性で41%、男性で50%だとか! そして、福岡市の課税所得の平均は、336万円だそうです。これが、親の所得と考えると、大学生に十分な仕送りができる状態にないことは明らかですね。
さて、問題の大学生についてですが、まずは下記のデータご覧ください。
・奨学金で大学に通っている率 → 51.3%(平成26年度)
・4年制の大学卒業時、奨学生の借金額 → 295万円(一人当たり平均)
大学を卒業し、晴れて新卒で入社という時に、300万近い借金を抱えているということになります。ましてや、大学院に進めばさらに借金が増えるということです。
生協による2015年の全国平均のデータですが、下記も衝撃的です。
・親の仕送り額 → 月70,140円
・一人暮らしの生活費 → 月104,650円(学費と年金は入ってません)
・アルバイト代 → 月25,560円
・アルバイトの時給 → 959円(3大都市圏)
平均値なのに、仕送りとアルバイトを入れても、生活が赤字という現実! なるほど、今の大学生が安定志向になるはずです。というよりも、どうやって暮らしているのか、とっても心配になりました。勉強しながらアルバイトで働くとなると、時間管理と体調管理が大変ですよね。
さて、ここからがセミナーの本題でしたが、良くマスコミなどで目にする「ブラック企業」の問題に焦点を当てていました。ブラックバイトというそうですが、経営者からすると、どこからがブラックになるのか、頭が痛い問題です。具体的な会社名も出てましたが、ここではどんな点が問題かだけにしておきます。
・給与が低い
・バイトなのに休めない
・授業やゼミを無視してシフトを組まれる
・店長にされて社員並みの責任を取らされる
・アルバイトの採用までさせられる
給与の問題は仕方ないにしても、その他の点は確かに問題ですね。しかも、メンタル面でつぶれるケースもあるとか。 若者がつぶれていく現実があるとしたら、何とか解消できないか、本当に深刻な問題だと思いました。
一方で、アルバイトを雇う経営者の皆さんから見た現実はどうでしょうか? コンプライアンスを考慮し、株主や社員からの訴訟リスクを抱えながら日々闘う経営者からしたら、違った言い分があるのかも知れません。 こういった問題に際し、個人で出来ることは限界があります。ですので、市場経済が活発化して上昇気流に乗る企業が沢山出てくることで、少しでも良い労働環境になっていくことを願うばかりです。
さて、私の姉夫婦は関東在住ですが、2人の甥を東北の大学と、大学院に通わせています。 確か宇宙工学系の夢のあるテーマの学問を続けていて、将来研究職に進むような話を聞きました。 今の時代においては、大変恵まれているのだと痛感した次第です。
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