明日からの経営に役立つ!会社法を学ぼう Part 9
株主の権利について、詳細をみていきます。株式の保有数によって、株主が会社の経営に参加することができる権利の内容が変わります。 具体的には、1株でも保有していれば行使することのできる権利を「単独株主権」と言い、発行済株式総数や総株主の議決権の一定の割合以上を保有する株主の権利を「少数株主権」と言います。
まず、「単独株主権」として行使出来る権利を見ていきましょう。
①議決権
②議案提案権
③非取締役設置会社の株主の議題提案権・議案の要領記載請求権
④会社の組織に関する行為の無効の訴え提起権
⑤株主総会決議取消しの訴え提起権
⑥募集株式の発行等の差止請求権
⑦募集新株予約権の発行の差止請求権
⑧各種書類等の閲覧等請求権
⑨取締役会招集請求権
⑩責任追及等の訴え(6か月の保有期間要件あり)
⑪取締役・執行役の違法行為差止請求権(6か月の保有期間要件あり)
結構種類がありますね。ちなみに、6か月保有の期間については定款で緩和することができますが、加重することは認められていません。次に、「少数株主権」として行使出来る権利を見てみましょう。
■総株主の議決権の1%以上または300個以上(行使前6か月)
①株主総会議題提案権
②株主総会の議案要領通知請求権
■総株主の議決権の1%以上(行使前6か月)
株主総会検査役選任請求権
■総株主の議決権の3%以上または発行済株式総数の3%以上
・保有期間制限なし
①検査役選任請求権
②会計帳簿閲覧権
・行使前6か月
①役員・清算人の解任の訴えの提起権
■総株主の議決権の3%以上
・保有期間制限なし
①役員等の責任免除に対する異議権
・行使前6か月
①株主総会招集請求権
■総株主の議決権の10%以上または発行済株式総数の10%以上
①解散判決請求権
少数株主権になると、経営について強大な力を持つ権利が法律で定められいます。そのため、6か月と言う保有期間を定めて、濫用を防いでいるのです。いかがでしょうか。株主の権利と言っても、本当にいろんな種類があります。この権利をどう定款で定めたりしていくか、これは会社経営者の判断となります。経営と所有のバランスを取れるよう、しっかりと検討していきましょう。
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